岡重が4代に渡り継承している羽裏染見本帳。

岡重が4代に渡り継承している羽裏染見本帳。

皆様、羽裏という言葉をご存知でしょうか。

羽裏とは読んで字の如く、``羽織の裏地``

表からは全く見えないもの。

しかし、見えないところに金を掛け

自分なりのファッションを楽しむ。

江戸時代、政府が度々、贅沢禁止令を出し

派手な着物を着れなかった事から、逆に誰

にも見えない裏地で、贅を尽くしてやろう

という発想から来ていると一説には言われ

ております。

ですから、羽裏柄は非常に

インパクトの大きい図案が多く

中でも岡重が所蔵している図案は

京友禅文様の「花鳥風月」的な

テイストとは一味違う、現代人の感性に繋

がる何かがある点が特徴です。

 本日は、岡重が明治時代から継承している

羽裏染見本帳を写真と一緒にご紹介します。

岡重の初代、岡島卯三郎氏が、明治時代に

入ると、いち早くドイツのバイエルン社で

発明された、化学染料を輸入し一気に色彩

豊かな染色表現が出来た点に於き、

そして、その化学染料を用いて

ごく初期頃に染められた、裂見本が上記の

図案集となって代々引き継いでおります。

 

図案集、1ページ目を捲ると出てくるのが

こちらの図案。名称 「流水に菊」

 

明治初年度 西洋染料にて始めてと記載が

あり岡重の捺印がされております。

約120〜130年前の、実際に染められた裂見

本がこの状態で残っているのは

恐らく岡重だけではなかろうかと

常々思っております。

当時の趣ののまま、今も鮮やかな色目で残

されております。

同じ色目と思っていても、微妙に違う

色目は多数の型を使い表現

明治後期の図案、「暁斎の鯉」

河鍋暁斎のオマージュとして、描かれたこ

の図案は実際に暁斎のミュージアム館長か

ら、お墨付きを頂いた図案の一つです。

 

名称「鶴に竹」明治初期頃の図案

中西眞三郎が描いたとされる、丹頂鶴

薄いピンクの地色に、竹と枝葉の文様が

浮かぶ。

 

その他、

こちらは、岡重所蔵の中でも特にインパク

トのある鯛尽くし。

実際の羽織・羽裏になると上記のような

着姿に。

外観は真っ黒の無地に、裏地でファッショ

ンを楽しむ。表よりも裏地に拘り色の鮮や

かな物を使うことが所謂、``裏勝り``羽裏の

精神です。

今回、ご紹介したのはほんの一部。

岡重には上記図案を含めて、約500点程の

図案がございます。

 

また、現在こちらの岡重公式オンラインス

トアではWEB上からお客様だけの

1着をオーダーでご注文頂ける様に

羽裏・羽裏のオーダー(お誂え)を受け付けております。

下記リンクからぜひご覧ください。

 

岡重、羽織・羽裏 詳細ページはこちら

 

 

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